ありがとうございますが口癖

介護のお仕事エピソード

働いている施設に入居していたおばあちゃんのお話。

そのおばあちゃんは、何をするにも
「ありがとうございます〜」
と言ってくれる。

起こしに行くときも、ご飯を配るときも、爪切りしたときも…

感謝の言葉しか言わない。
しかも満面の笑み。
まんまるお月さんみたい。

そんなおばあちゃんに育てられた娘さんもやはり、何かといえば感謝の言葉ばかり。

「子育て中、怒ったことないんですか?」とおばあちゃんに聞くと、

「ありませんねぇ〜」と。

私は何かしら毎日子供に怒ってる気がする。

高齢者のお世話をする仕事をしているけれど、いつの間にか人生の相談をしている私。

この人はどんなお母さんだったんだろう…
私が年とった時、こんなふうに感謝の言葉ばかりがたくさん出てくるだろうか…色々考えてしまう。

もう一つおばあちゃんのいいところがある。
それは、いつでも新鮮な気持ちだということ。

起こしにいくと、

「あけましておめでとうございます〜」
と言ってくれる。

認知症を馬鹿にしてるわけではなく、一つ一つ起こる出来事をいつでも新鮮な気持ちで居られるって、幸せなことなのかなと感じる。

毎回同じことをしていても不安に感じる人もいるけど、

このおばあちゃんは、いつでも笑顔で一つ一つの出来事を大事にしている気がする。
毎日新年を迎える清々しい気持ちなのかな。

同じことの繰り返しの毎日だけど、
そんな気持ちを持つと、毎日がキラキラ輝くかもしれない。

だから今日仕事に行く時は曇った気持ちじゃなくて、「元旦」の気持ちで行ってみようと思う。
きっと挨拶から変わる…はず。

おばあちゃん、私もやってみるよ。

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