心筋梗塞だった

介護のお仕事エピソード

元気に変わりなくきてくれたおじいちゃん。

もともと血圧が高くなりやすいので、朝昼晩に血圧を下げる薬を飲んでいる。

今回利用した時、たまたま部屋を訪ねた時に

「なんか、ふーって力が抜ける時があるんです」と教えてくれた。

バイタルチェックするけど、薬飲む前は血圧が高くて、薬を飲んだ後は下がって・・・

数年前もそんな感じだったから、「そんなんですね、なんかしんどいって思った時は遠慮なく教えてくださいね」と話していた。

ある日、「お風呂に入りましょうか~」といつも通り部屋に声をかけに行き、

浴室まで手押し車で歩いてくれた。

椅子に腰をかけ、自分で靴下を脱いでくれたその瞬間、いきなり横にあった壁に

「どん!!」と頭をぶつけた。

「大丈夫ですか?!」と顔を見ると、白目をむき、意識がない。

電話で看護師を呼び、3人がかりでストレッチャーに移す。

息をしていない。

声をかけてもピクリとも反応せず、

看護師は心臓マッサージを始めた。

すると、「はぁ」と息を吸った。

でも意識はない。

救急車を呼び、AEDを付け、家族に電話をし、職員みんながバタバタと動き回った。

私が家族に電話をして戻ってきた時、意識が戻ったようで、

おじいちゃんは手を合わせながら、

「すみません…」と話す。

こんな状況になっても迷惑をかけたと職員に謝る姿を見て、泣きそうになってしまった。

いつもと変わらないのかな、もしかしたら、あれは予兆だったのかな、と頭の中でぐるぐる考えながら、急にこんなことになるなんて…すごく怖かった。

小さな声で謝りながら救急隊に連れられて行く姿、元気に戻ってきてよ、と思いながらフロアに戻った。

翌日、職員同士でどうなったかな、回復してるかなと話していると、

「夕方亡くなったそう」と看護師が教えてくれた。

家族さんが病院に駆けつけ、安心したかのようにその後亡くなったそう。

残っていた荷物を家族に届けた時、

「一人暮らしだから、職員みなさんが近くにいてくれてよかった。声をかけてくれてよかった。もし家でなっていたら、一人ぼっちでなくなっていたと思うから。ありがとうございました。」

と、家族さんが話してくれた。

親が死んでしまい、心の整理もつかないだろうに、そんな風に感謝の言葉をくれるなんて。

家族さんのその言葉でどうにか気持ちが支えられた。

明日からも1日1日、一瞬一瞬を大事に関わっていこうと思う。

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