選挙のように名前をひたすら伝えてくれるおばあちゃん

介護のお仕事エピソード

毎日大なり小なり色んなエピソードが作られ、面白おかしく、楽しくて仕事できて幸せだ。

あるおばあちゃん。

認知症で話が噛み合わないことのほうが多くて、噛み合ったと思った瞬間会話が明後日の方向に行ってしまったり、そのやり取りも楽しい。

『おしっこしたいわ』

『じゃあトイレ行きましょう』とトイレに行くけど、

『こんなんせーへん』と頑なに車椅子から立たない。

おしっこって言ったよね…?

スイッチが変わったんかな、とか、しょっちゅう。

また気が向いた時に行こうとリビングに戻る。

今日のエピソードは、ひたすら必死に、そして頭から離れないほど執拗に(笑)自分の名前を私に教えてくれた。

『ちょっとお姉ちゃん。』と手招きして、私が振り向くと、

『私、◯◯ ◯子』と。

それだけ。

『存じてますよ』

とお返事。

どうしたのか、どうしたいのか、名前を読んでほしいのか色々聞き返すけど、

フフッと笑いの返しだけ。

一日中続くと、もう笑いのツボとなる。

決してばかにしているわけではなくて、

私にはわからない独特な世界観があって、その不思議さを感じられるのが介護の魅力だな感じた。

あるスタッフがぽそっと言った一言が、

また私の笑いのツボになった。

『選挙してるんかな』と。

確かに、『私、◯◯ ◯子!』

選挙っぽい。

おばあちゃんもスタッフも、今日一日たくさんの笑いをありがとう。

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